言葉にできないものほど残る

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うまく説明できないのに、
なぜか心に残ることがあります。

雨の音。

茶碗を置く音。

誰かが黙って座っている姿。

夕方の部屋の静けさ。

言葉にすれば、
どれも小さなことです。

けれど、
その場にいるときには、
説明よりも先に、
何かが伝わってくることがあります。

禅という言葉を聞くと、
難しいもののように感じることがあります。

何を考えるのか。

何を悟るのか。

何を学べばよいのか。

そう思って、
すぐに説明を探したくなります。

けれど、
説明を読んでも、
かえって遠くなることがあります。

言葉で分かったはずなのに、
静けさそのものは、
まだ手の中に入ってこない。

そういうことがあります。

この感じは、
自分だけのものなのでしょうか。

昔の人なら、
大切なことを、
すべて言葉で説明しようとしたのでしょうか。

それとも、
言葉にできないまま受け取るものを、
もう少し大切にしていたのでしょうか。

分かりません。

ただ、
言葉にできないからといって、
何もないわけではありません。

むしろ、
言葉にする前のところに、
深く残るものがあります。

静かな部屋を出たあと、
何を聞いたわけでもないのに、
少しだけ心が整っていることがあります。

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