古い名がまだ残っている

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神社の札や、
古い本の中に、
天照大神という名を見かけることがあります。

子どものころは、
ただ神様の名前として聞いていたのかもしれません。

難しい意味を考えることもなく、
昔の話の中に出てくる名として、
そのまま通り過ぎていました。

けれど、
大人になってからその名を見ると、
少しだけ立ち止まることがあります。

照らすという字があります。

明るくするというより、
見えなかったものに、
光が当たるような感じに近いのかもしれません。

朝、日が差し込むこと。

一日が始まること。

家の中に明かりが入ること。

そういう当たり前の中にも、
この名に近い感覚が、
どこかに残っているように思うことがあります。

もちろん、
すぐに分かったとは言えません。

天照大神という名は、
簡単に説明できるものではありません。

ただ、
その名が今も残っているということは、
昔の人がその名の中に、
何か大切なものを見ていたということなのかもしれません。

この感じは、
自分だけのものなのでしょうか。

古い名を、
ただ古いものとして通り過ぎることもできます。

けれど、
長く呼ばれてきた名には、
それを受け止めてきた人たちの時間があります。

その名を見たあと、
いつもの朝の光が、
ほんの少しだけ違って見えることがあります。

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