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國家という言葉を聞くと、
少し遠く感じることがあります。
政治の話。
制度の話。
ニュースの中の話。
自分の毎日の暮らしとは、
少し離れたところにあるもののように思えます。
けれど、
朝、家の前を掃く人を見ることがあります。
子どもが道を渡るのを待つ人がいます。
近所で顔を合わせれば、
軽く頭を下げる人がいます。
そういう小さな場面を見ると、
自分の暮らしは、
自分だけの中で終わっているわけではないと感じることがあります。
國家とは、
遠くにある大きな制度だけを指すのでしょうか。
それとも、
人が生まれ、
暮らし、
働き、
家を持ち、
言葉を交わし、
同じ時間を生きているその全体を、
静かに支えているものなのでしょうか。
分かりません。
ただ、
大きな言葉を大きなまま見ていると、
かえって見えなくなるものがあります。
國家という言葉の中には、
役所や政治だけではなく、
家の明かりや、
道の掃除や、
約束を守る人の姿も、
どこかで含まれているのかもしれません。
そう考えると、
國家という言葉は、
遠いものではなく、
自分の暮らしの後ろに広がっているもののように感じられます。
すぐに分かったとは言えません。
けれど、
その大きな言葉が、
少しだけ生活の近くに降りてくることがあります。
【047〜048】





