昔をたどると自分の場所が見える

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古い地図を見ると、
今の道と少し違っていて、
不思議な気持ちになることがあります。

知っている町のはずなのに、
道の形が違う。

川の流れが違う。

名前だけが残っている場所もある。

それを見ていると、
今いる場所も、
突然できたわけではないのだと思うことがあります。

歴史というと、
遠い過去を調べることのように思えます。

何年に何があったのか。
誰が何をしたのか。
どの時代に何が変わったのか。

それは大切です。

けれど、
昔をたどることは、
過去を遠くに置いて眺めるだけではないのかもしれません。

今の道が、
昔の道の上にあることがあります。

今の言葉が、
昔の言葉の名残を持っていることがあります。

今の暮らしが、
昔から続いてきたものの上に立っていることがあります。

この感じは、
自分だけのものなのでしょうか。

昔の人なら、
國史を、
ただ出来事の並びとして見たのでしょうか。

それとも、
自分たちがどこから来て、
どこに立っているのかを知るためのものとして、
受け止めていたのでしょうか。

分かりません。

ただ、
昔をたどると、
遠いものを知るだけではなく、
今の自分の場所が少し見えてくることがあります。

古い地図を閉じたあと、
いつもの道が、
ただの通り道ではなく、
長い時間の上にある道のように感じられることがあります。

【051】

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