見失っていたものに名前がつく時

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胸の中にあるのに、
うまく言葉にできないものがあります。

何が苦しいのか。
何に引っかかっているのか。
何を大切にしたいのか。

分かっているようで、
言葉にしようとすると、
すぐに遠くなってしまうことがあります。

けれど、
ある日ふと、
その感覚に近い言葉に出会うことがあります。

ああ、
自分が感じていたのは、
これに近いのかもしれない。

そう思った瞬間、
ぼんやりしていたものが、
少しだけ形を持つことがあります。

言葉は、
すべてを説明してくれるわけではありません。

言葉にした途端、
こぼれていくものもあります。

それでも、
名前がつくことで、
初めて見えるものがあります。

この感じは、
自分だけのものなのでしょうか。

昔の人なら、
見えにくいものに名前を与えることを、
どう受け止めていたのでしょうか。

分かりません。

ただ、
見失っていたものに名前がつくと、
暮らしの中で感じていた違和感が、
ただの気分ではなかったように思えることがあります。

そのとき、
自分の中にあったものが、
少しだけ前に出てくる気がします。

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