上に立つ人は何を見ているのか

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職場で、
誰かが全体を見て動いていることがあります。

大きな声を出すわけではありません。

誰かを強く叱るわけでもありません。

ただ、
人の動きや、
時間の流れや、
困っている人の表情を見ながら、
少しずつ場を整えている。

そういう姿を見ることがあります。

何かをまとめるというのは、
ただ上から動かすことではないのだと思う瞬間があります。

家の中でも同じです。

食事の時間を整える人。

先に片づけておく人。

誰かが気まずくならないように、
言葉を選ぶ人。

目立たないところで、
暮らしが乱れないようにしている人がいます。

普段は、
そういう働きにあまり気づきません。

決まりがあるから動いている。

役割があるから進んでいる。

そう見えてしまいます。

けれど、
決まりだけでは、
人の間は整いません。

同じ決まりがあっても、
その場を見る人がいなければ、
物事はすぐに固くなります。

人を治めるという言葉は、
今では少し遠く聞こえます。

けれど、
人の暮らしが乱れないように見ること。

困る人が出ないように気を配ること。

自分の都合だけでなく、
そこにいる人のことまで考えること。

そういうものがなければ、
形だけの秩序は、
どこかで人を苦しくするのかもしれません。

全体を見ている人の背中を思い出すと、
治めるという言葉が、
ただ上に立つことではなく、
人の間を静かに保つことにも見えてきます。

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